第40回日本小児心身医学会学術集会

会長挨拶・コンセプト

第40回日本小児心身医学会学術集会 会長 渡部泰弘

第40回日本小児心身医学会学術集会
会長  渡部 泰弘
(秋田県立医療療育センター小児科 メンタルヘルス外来)

第40回の学術大会を担当させていただく事となりました。このような機会をいただきました事を、たいへん光栄に存じます。

秋田県での開催は小児心身医学会にとっては初めてでありました。本来であればたくさんの先生方に秋田においで頂き、「秀麗無比なる鳥海山よ 狂瀾吼え立つ男鹿半島よ」と秋田県民歌に歌われた風光明媚な「詩の国秋田」をご体験頂きたかったのですが、Covid-19感染症の感染状況は先が読めない状況であり、Web上での開催と決定させて頂きました。

残念な点はあります一方で、Web開催だからこその利点もあります。現地開催に負けない熱気のある学術集会にすべく、準備をして参ります。

さて、本学術集会のテーマは「ネット/ゲーム世代の子育て・子育ち」としました。

パッと思い浮かぶのはゲーム依存の問題かも知れません。しかしこうしたテーマを決めたのは、次のような事を考えたからです。

  • ネット/ゲームに代表されるIT化された現代社会は、ともすればその悪影響が取り沙汰される事が多いが、子どもが育つ環境から切り離す事は不可能で、むしろプラスの部分を理解して「健康な使い方」を身につける必要がある
  • そうした新しい環境の中では、子育ても変わって来る。新しくて便利なものの功罪・伝統的なものの功罪を、我々は「子どもを健康に育てていく立場」として見定めていく事が求められる
  • 新しい価値観が生まれ、多様性が以前より受け入れられるようになった。その一方でさまざまな分断も起こっている。そうした中で自ら育っていく子どもに、我々が望ましいサポートが出来るようなヒントを提示したい

今回の大会ではこの壮大なテーマを基にプログラムを企画して参りました。

  • 秋田の民俗行事「なまはげ」に隠された子育ての知恵。
  • 子どものネット/ゲーム依存の問題とどう付き合うか。
  • 引きこもりや、思春期とサブカルチャについての知見。
  • IT化された現代社会と子ども達の新しい関係性をどう作って行くか。
  • 多様性と表裏一体である少数者への支援はどうあるべきか。

こうした多くの興味ある講演やシンポジウムを準備しております。どうかたくさんの先生方にご参加いただけますように。

コンセプト

■コンセプト①:学術集会テーマ「ネット/ゲーム世代の子育て・子育ち」
子育て環境や、子育てに対する考え方は時代と共に変わりますが、この数十年ほど大きく変わった時代はかつてあったでしょうか。生活のデジタル化が進み、インターネットが普及した事で、子どもの環境も、子どもを取り巻く大人の環境も大きく変わりました。子どもの遊びにおいてもコンピュータゲームが台頭し、遊びの質も大きく変わっています。我々小児心身医学に関わる専門家の多くも、そうした社会環境の変化に対応出来ているでしょうか。
そこで今回は「ネット/ゲーム世代の子育て・子育ち」というテーマで、子育てを取り巻く環境変化の功罪を取り上げます。特別講演やシンポジウムは、このテーマに沿ったものを多く計画しています。
■コンセプト②:Web開催
新型コロナ感染症の状況がどう変わるのか全く予想は出来ませんが、
  • 現実的に、都道府県をまたぐ往来を安心して出来るレベルまで大きく感染を押さえ込む事がこの1年では難しいのではないかと、私自身が考えている
  • Web開催により、これまでの現地開催に参加が難しかった立場の方でも参加がしやすくなったというメリットもある
などの理由から、当初からWeb開催として準備する事と致しました。3年連続のWeb開催となり、現地開催を楽しみにしていた先生方には申し訳ありません。出来るだけ学術集会の「ライブ感」を損なわないような運営を心掛ける所存です。
■コンセプト③:一般演題でのディスカッションを重視したプログラム運営
大会長として講演やシンポジウムなどの「特別プログラム」を企画出来る事は魅力である反面、その分プログラム上一般演題と重なり、せっかく参加した方が一般演題を十分聞けない・また一般演題に対してのディスカッションの時間が十分に取れない事は、大変もったいないと感じておりました(演題を出して参加して下さる方がいるからこその学術集会ですから)。そこで第40回学術集会では、特別プログラムの数を抑え、「一般演題を重視した、コンパクトな大会運営」を目指します。